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| 「掛け軸」を選んだあなたには・・・ | 『へそもち』 |
縦長のページを縦開きに展開していくという大胆な手法の絵本です。
赤羽末吉さんは「掛軸」をヒントに、この手法を思いつかれたのだそう。
同じサイズの横長の絵本とくらべると、
目の錯覚でしょうが、
縦長のほうが場面が広がって大きく感じます。
遠目のきく絵ですので、おはなし会にも向いています。
登場人物は、
おへそが大好物の「かみなり」と
おへそをとられて仕事にならない「村の衆」と
お寺の「おしょうさん」。
農作物に恵みの雨をあたえてくれる「かみなり」
でも「かみなり」のするいたずらのせいで、村の衆はこまっています。
「かみなり」にだって言い分があります。
その言い分が 実に納得できるもので、笑ってしまいます。
お互いに必要な存在であるのにうまくいかない状況。
さてどうしたものか......?
天上に住む「かみなり」と地上に住む「村の衆」
それをとりもってくれるのが 天とも地ともつながっている「おしょうさん」。
「おしょうさん」が出てきた時点で
あ、この人ならきっとなんとかしてくれると期待し、
期待どおりの展開になるので、
読んでいて気持ちがいいです。
読み終わった後のこどもたちも、とても満足した様子でした。
幼い頃、かみなりが鳴ると「おへそとられるよ〜」と母や祖母に言われ
こわがりやの私は かみなりの音がきこえなくなるまで
丸くなってタオルケットをかぶっていました。
おなかに響くかみなりの音と 息苦しく蒸し暑い空気は
しっかりと刻まれている こわいながらもたのしい記憶。
それはとても しあわせな記憶。
今度は母として、「おへそとられるよ〜」と脅かして
おはなしとともに、そんな季節のヒトコマも
手渡していきたいなぁと思います。
昔話の技法に基づいた完成度の高いおはなしに
掛け軸のような風情のある絵。
「夕立」に夏を感じさせてくれる1冊です。ぜひ。
2003.8.10
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『へそもち』 |
| 渡辺茂男(さく)/赤羽末吉(え) | |
| 1966年8月 1日発行/こどものとも125号 1980年7月31日発行/福音館書店 |
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| 31p/サイズ22×27cm/こどものとも傑作集 |