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絵本旅行社・旅プラン「しる 7」

「戦争」を選んだあなたには・・・ 『ヒロシマに原爆がおとされたとき』

テレビの中の戦争は、

どこか現実みがない。

戦争を知らない世代の私にとっては、

不謹慎だけれど 危機感も緊迫感もあまりない。

だから、自分のこどもにも

 戦争についてどうやって伝えればよいのか 正直なところわからない。

でも伝えなくては.....という気持ちもあって

戦争関係の絵本を 探しては読んでみた。

どれも しっくりこない。

自分の声に説得力がないのだ。

あまり感情を込めすぎると、こどもたちに恐怖感を与えてしまうし、

かといって、創作のお話と同列で

絵本を閉じればおしまい、の感覚では困る.......

私の悩みは、この作品と出会って一気に吹きとんだ。

大道あやさんの絵がいい。

表紙は、赤と黒の鮮烈な印象だが

中の絵は かなり抑えた色で描かれている。

戦争関係の作品には 血を思い起こしてしまう色が

よく使われているのだが、ここにはない。

それでも充分に伝わってくるものがある。

そして、ありがたいことに

大道あやさんご本人が語られているCDがついている。

効果音などの装飾をまったくしていない、自然な語りがとてもいい。

体験を通しての「生」の声が、ダイレクトにこころに届く。

製本も こころにくい。

それぞれの場面は、絵だけを見られるようになっている。

文章は、折りたたんであるページにかくれているので 必要な時に開けばいい。

CDを聴きながら じっくりとながめられる配慮がうれしい。

この作品に触れたからといって

世界観が変わるわけではない。

でも、あたりまえの日常が どんなにしあわせなことかがわかる。

私を含む しあわせに鈍感な世代にとって

そう感じることは とても重要なことではないだろうか。

『これをかいただけでも うれしゅうないよ』

大道あやさんの ちいさなつぶやき。

痛みを知り、乗り越えてきた人のことばは

さりげなく奥深い。


2003.3.21


『ヒロシマに原爆がおとされたとき』
大道あや(さく・え・語り)/赤木かん子(企画・編集)
2002年7月 発行/ポプラ社
38p/サイズ29×22cm


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