<< TOP   < BACK 絵本旅行社・ご報告まで。

『魔法使いハウルと火の悪魔』 原画より
佐竹美保・画/徳間書店
佐竹美保 絵本講座&原画展
テーマ 「さし絵と私」
2002. 10月20日(日) 宮城県民会館 6F会議室 にて
主催・宮城子どもの本を楽しむ会

page1




たった数時間、この絵本講座のためだけに展示された原画たち

それは、魔法のように贅沢な時間。

会場は、ファンタジックな原画に囲まれ

殺風景な会議室から、異次元への入口のような雰囲気になっていました。

「挑戦するのがすき」

と語る 佐竹美保さん。

本は好きだけれど、児童書はまったく読んだことがなかったので

とても新鮮だったそう。

「自分たちがすぐに想像できるものは書いても仕様がない」

「物語のすてきな世界をこわしたくない」

そんな言葉からは、佐竹さんの作品への想いが伝わってきました。

展示されている原画を中心に、作品エピソードを語ってくださいました。







プロフィール

1957年3月3日 富山県生まれ。
デザイン科卒業後、上京。

雑誌「奇想天外」の仕事は19歳から始まった。
以来、古典から現代のファンタジーまで挿絵の仕事は数多く、
さまざまなタッチで物語の世界を魅力的に表現している。





講座終了後のティータイムでのヒトコマ、原画をバックに 
                     (2002.10.20)

★メモ★

佐竹さんの絵を見ると、ムショーにワクワクします。なにがスゴイって、表紙の絵!どの表紙をみても、物語の1場面を描いたものではなく、

物語のすべてのエッセンスがちりばめられた絵なのです。私は、佐竹さんが関わった作品を読むときは、まず表紙をじっくりながめて、これ

からはじまるストーリーを感じてワクワクします。ひとつの章を読み終わるごとに表紙をながめて、表紙の意味をさぐります。読み終わって、

表紙をながめて余韻にひたります。ちなみに、裏表紙の絵は読み終わるまで、ぜったいに見ない。最後のお楽しみだもの!こんなに楽しめ

めるさし絵画家さんは、なかなかいらっしゃらない。貴重な存在だと思います。今回は、原画の展示もあったので、佐竹さん自らお手伝いし

てくださいました。(展示だけでなく片付けまでも!) 撤去作業をしつつお誕生日をうかがったら、はるくんと同じ日。なんてうれしい偶然!






お話された作品のエピソードや 原画の感想などをまとめてみました


さらりと読みたい方は 気になる作品名から。

お時間のある方は どうぞごゆっくり。



◆〜1999年の作品

   
page1
九年目の魔法
(1994)
◆ メニム一家の物語 ◆

北岸通りの骨董屋
(1997)
月のしずくとジャッキーと
(1996)
◆ 空中の城 ◆

魔法使いハウルと火の悪魔(1997)
アブダラと空飛ぶ絨毯(1997)
  ◆ シェーラひめのぼうけん ◆

うしなわれた秘宝(1997)
最後のたたかい(2002)
不思議を売る男
(1998)
これは王国のかぎ
(1999)
 


◆2000年〜

  page2
魔女の宅急便 その3
キキともうひとりの魔女

(2000)
◆ リンの谷ローワン ◆

ローワンと魔法の地図
(2000)
◆ 大魔法使いクレストマンシー ◆

魔法使いはだれだ(2001)
トニーノの歌う魔法2002)
佐竹美保個展

扉の向こうの鼓動
(2002)


●その他

   page3
● 講演会スナップ ●

写真9点
● 講演会メモ ●

佐竹美保さんへの
Q&A



佐竹美保作品
(作品紹介は、ほんの一部です)
1ページ    

『九年目の魔法』

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作
/浅羽莢子・訳/佐竹美保・絵
/創元推理文庫 1994(1984)
【作品メモ】
 少女ポーリィの魔法の九年間をえがいた作品。現実と空想が入り混じった世界で、愛と成長と闘いが渦巻きます。いろいろな伏線があって、読めば読むほど味がでてきます

【講演会・原画展メモ】
 表紙で使用した「リキテックス」という画材は、伸びないので、最近は使っていない
そう。他の作品とくらべると色彩がやや重く、ベタッとした印象。でもでも、なんとも
いえない色で美しかった。


------------------------------------------------------------
【原画】 ケントボード、リキテックス (印刷物の4倍の大きさ)

◆メニム一家の物語◆全5巻

@ブロックルハースト・グローブ
  の謎の屋敷
A荒野のコーマス屋敷
B屋敷の中のとらわれびと
C北岸通りの骨董屋
D丘の上の牧師館

シルヴィア・ウォー作
/こだまともこ訳
佐竹美保・絵/講談社




『北岸通りの骨董屋』
1997  

【作品メモ】
 ブロックルハースト・グローブ屋敷で暮らす、人形のメニム一家。ケイトおばあさんが縫いあげた 等身大のみごとな布の人形たちに、あるひ、命がふきこまれる。動き、しゃべり、感情をもつ人形たち。人間と同じ様に暮らす、家族のふしぎな物語。シリーズ全5巻。

【講演会・原画展メモ】
 挿絵は、スクラッチボードを利用して、けずったり加筆しながら描かれたそう。失敗
したら墨で塗り直し、再び描く。そうしていくうちに、どんどん増えてしまった、とおっしゃられていました。確かに、このシリーズのさし絵の数は、かなり多い。各巻にぜいたくな扉絵はあるし、もくじに配置された絵も、かなりの凝り様。佐竹さんの熱中ぶりが伺えます。

 このシリーズを翻訳された、こだまともこさんの講座のときに、佐竹さんが、メニム
家の次女、アップルビーの等身大の人形をつくられたと伺っていたので、是非とも拝
見したい!と事前にリクエストしてました。残念ながら、本物のアップルビーは、おで
かけ中ということで、スナップ写真をご持参くださいました。写真を急いでみたい方
は、
コチラへ。

------------------------------------------------------------
【原画】 表紙『北岸通りの骨董屋』=ガッシュ、透明水彩 
     挿絵カット(37点)=スクラッチボード


『月のしずくとジャッキーと』

チャールズ・デ・リント作
/森下弓子・訳/佐竹美保・絵
/創元推理文庫(1996)
【作品メモ】
 『ジャッキー、巨人を退治する!』に続く第2弾。未読。(読んだらUPします)

【講演会・原画展メモ】
 原画の中でも、かなり気に入った作品でした。このお話を読んでいなかったので、「読んでおけばよかった」とおもいっきり後悔しました。もうスバラシイ!としか言い様がありません。妖しげな怪物たちの行進のなか、満月の光に照らされ笛を吹く、ピンクの髪の人物。あなたは誰?この絵が文庫サイズだなんて、モッタイナイ!
------------------------------------------------------------

【原画】スミマセン、記録がありません。 水彩? (印刷物の4倍以上の大きさでした)

◆空中の城◆1.2

@魔法使いハウルと火の悪魔
Aアブダラと空飛ぶ絨毯

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作
/西村 醇子・訳/佐竹美保・絵
徳間書店




『魔法使いハウルと火の悪魔』
1997


【作品メモ】
 @惚れっぽく女好きの魔法使いハウル、ハウルに力をかす火の悪魔カシルファー、ハウルの弟子マイケル、嫉妬深い荒地の魔女、呪いの魔法をかけられてしまった三人姉妹の長女ソフィ。どの登場人物もいきいきと描かれています。古典の名作『オズの魔法使い』が下敷きになっていて、そちらの作品からのキャラクターも登場。ニクイ演出です。字が小さめで読みにくい方もいらっしゃるかもしれませんが、特に中盤からの展開がオモシロイので、未読の方はぜひ!


『アブダラと空飛ぶ絨毯』
 1997
 

 Aこちらは『アラビアン・ナイト』を下敷きにした作品。読んでも読んでもハウルがでてきません。そう、作者がすぐには見つからないよう隠してしまったんです。ヤラレタ!先読みできない私は、そんなキモチでいっぱい。火の悪魔カシルファーもしっかり登場。ハウルファンには評判はいまひとつのようだけれど、お話のつくりはすごく凝っていてオモシロイです。

【講演会・原画展メモ】
 これもすばらしい原画でした。ジブリが映画化するようですが、佐竹さんが描いた以上の世界ってないかも?なんて思ってしまいます。
------------------------------------------------------------

【原画】ケントボード、ガッシュ、透明水彩

◆シェーラひめのぼうけん◆

村山早紀・作/佐竹美保・画
フォア文庫(童心社ハードカバー)


『うしなわれた秘宝』 
1997(2002)

【作品メモ】
 魔法使いサウードの野望から王を始め、すべてを石に帰られたシエラザード王国を救うべく、怪力のかわいいシェーラ姫、気弱な魔法使いの男の子ファリード、泥棒の親分だったハイル等は、過酷な砂漠の旅を続ける。各巻に登場人物も描く。

【講演会・原画展メモ】
 「シェーラ姫、かわいいな〜」とおっしゃる佐竹さん。いろいろな作品の中でも、シェーラ姫は別格の存在のようです。特にモデルはいないそうですが、活き活きとしたキャラクターはどこから?という質問には、「物語を読んでいて、その子の性格か重要。」とおっしゃられました。
------------------------------------------------------------
【原画】不透明水彩、透明水彩、ペン


『不思議を売る男』

ジェラルディン・マコーリアン作
/金原瑞人・訳/佐竹美保・画
/偕成社(1998)

【作品メモ】
 ステキな題名だと思いません?原題は「A PACK OF LIES」=嘘八百。和訳のタイトルで「嘘八百」じゃちょっとねぇ(笑)。表紙に描かれているのが、不思議を売る男MCC・バークシャー。本の国からやってきて、アンティーク屋に居候することに。売る気があるのかないのか?それぞれの品物の逸話を客に語ってきかせます。

 訳者の金原瑞人さんはあとがきに「珠玉のような短編」と書かれていますが、本当にその通り!もくじのところに描かれた11のアンティーク品は現実感があります。

【講演会・原画展メモ】
 表紙の絵は、なんと1日で描かれたそう(!)。「ノルとけっこう早い」のですって。
この原画は、印刷物よりちょっと小さいくらい。珍しいのでは?

------------------------------------------------------------

【原画】表紙=ガッシュ、透明水彩 挿絵カット(6点)=スクラッチボード


『これは王国のかぎ』

荻原規子・作/佐竹美保・画/理論社(1993)中央公論新社(再刊・1999)
【作品メモ】
 
初めに「マザーグース3」(谷川俊太郎 訳/講談社)の詩が引用されています。「これはおうこくのかぎ....」から始まる詩。謎めいていて、どうどう巡りのような詩は、お話の幕開けにピッタリ。現代からアラビアンナイトの世界へと飛んでいく冒険の物語。

 理論社から出版された初版(1993)はハードカバーで、表紙とさし絵は中川千尋さん佐竹さんは、中央公論新社ソフトカバーの再刊(1999)を担当。ソフトカバーですが、佐竹さんの表紙とさし絵になって、よりドラマティックな作品に感じられます。

【講演会・原画展メモ】
 表紙の原画は、作者である荻原規子さんが所有されたいらっしゃるそう。
ラピスラズリ色の空をかける王子と王女。この原画が欲しくなった気持ち、よくわかります。

------------------------------------------------------------

【原画】 表紙=ガッシュ 荻原規子さん所有の品


次ページへ



<< TOP < BACK