<< TOP  < BACK 絵本旅行社・ご報告まで。絵本講座レポートNO.1

『ゆうたはともだち』
きたやまようこ作
あかね書房
きたやまようこ 絵本講座
テーマ 「私の絵本の世界」
2001. 11月11日(日) 仙台市141ビル 5F セミナーホールにて
主催・宮城子どもの本を楽しむ会





14〜5年前に、一匹のシベリアンハスキーと 運命的な出会いをし、

衝動買い(!)をしてしまった 北山葉子さん。

「しっかりしつけて、幸せにしてあげたい」と 

作家活動を一年間 
犬育て休業されたそうです。

その後の作品には、

この「休業中」の経験がヒントとなり 傑作が生まれています。

ご自身が語られた 作品エピソードなどを まとめてみました。






プロフィール

1949年5月15日生まれ。東京都出身。
文化学院芸術科 卒業。

エンピツを持てるようになった頃から 絵を書き、
文字をおぼえてから、おはなしを書き、

小・中・高・大学と、ずーっと作品を書いていた。

1975年 『いただきまーす』(偕成社)でデビュー
1989年 『ゆうたくんちのいばりいぬ @〜B』で
       
講談社出版文化賞絵本賞 受賞。
1993年 『りっぱな犬になる方法』『じんぺいの絵日記』
     
路傍の石幼少年文学賞 受賞。
1997年 十勝の風景に魅せられ、帯広市郊外に
       アトリエを構える


神奈川県海老名市 在住。

★メモ★

わたしは そんなに犬好きでもないし、特に思い入れのある 北山さんの作品は、

正直なところありませんでした。

でも今回の講座で、その印象はガラリと一変。ファンになってしまいました......(笑)。

やさしい声で語られる本音。ユーモアとサービス精神にあふれ、とにかくユニークで、行動的。

そして、とってもするどい視点の持ち主です! 

その考え方には共感し、いろいろと考えさせられました。

これからも、まちがいなくご活躍される 絵本作家のおひとりでしょう。

         





●作品に「いぬ」が登場するようになった理由●

   その頃は、まだ珍しかった「シベリアンハスキー」を 一度でいいからみてみたいと思っていて、買うつもりもなく見にいった時のこと。

  生後40日で、ブルーの目でじーっと見つめられたら、あまりにかわいくて、もう連れて帰るしかないと、衝動買いしたのだとか!

  それから、犬との生活がはじまり、犬を理解できるようになり、休業後、とても自然なかたちで 作品が生まれていったのだそうです。


ピンク字の題名は 北山さんが実際に読んでくださった作品です!
きたやまようこ作品
(作品紹介は、ほんの一部です)
エピソード
〈こぶたのあかちゃんシリーズ@〜E〉
  1987〜88年 偕成社 

『だから こぶたちゃん』

 『なにがだいすき?こぶたちゃん』
 『なんでもぶたさんじるし』
 『なかよしいっしょ こぶたちゃん』
 『かみのけないの こぶたちゃん』
 『こんなにたべるよ こぶたちゃん』
 
 休業後、さいしょの作品。おもちゃが大好きだった、愛犬「チェス」くん。


なかでも、一番のお気に入りが、「ぶたのぬいぐるみ」だったとか。


チェスくんのために つくった絵本なので、できあがって一番に作品を読み聞かせたそうです(笑)。

このシリーズから、実際に、2冊読んでくださいました。(感激!)

〈きゅっきゅっえほん@〜A〉
1996年 あかね書房

 『くまくんのふしぎなかばん』


 『ねずみちゃんのふしぎなおさら』
きたやまようこ作 あかね書房
 
 音の出るおもちゃも、チェスくんは大好きだったで、なにか作ってみようと思われたのだそう。

その頃、オルゴール内蔵の絵本が出始めていたが、ページを開けばただ音が出るタイプのものばかり。

それでは受身になってしまうので、何か別の方法はないか?と考えた。自分のチカラを使って

履くと鳴るサンダルのようなしくみで、左右のページに、微妙にちがう音がなるようにしたそう。

この、「♪きゅっきゅっ」と「♪ちゅっちゅっ」が聞き分けられないようだと、

まだまだ 修行がたりないそうです(笑)。

〈ゆうたくんちのいばりいぬ@〜H〉
1988〜91年 あかね書房 

 
 
『ゆうたはともだち』
きたやまようこ作 あかね書房

 『ゆうたとさんぽする』
 『ゆうたのゆめをみる』

 『ゆうたとかぞく』
 『ゆうたのおかあさん』
 『ゆうたのおとうさん』
 『こんにちは むし』

 『こんにちは ねこ』
 『こんにちは いぬ』


 チェスくんの子犬の頃を思い出しながら、つくったキャラクター「じんぺい」。

きたやまさんは、「キャラ」ができても、すぐにおはなしを書かないのだそうです。

いろをぬって、きりぬいて、かべにはっておく。毎日ながめたり、話かけたりしていると、

キャラが自然に話し出す(!)のだとか。

この絵も、ある日突然、「おれ、いぬ」としゃべりだして、3つのおはなしが1度にできたのだそう。

「おれ」「おまえ」のことばに、出版社からクレームがつき、一般にアンケートをとるなど ひと騒動の末、

結局そのまま出版されるカタチとなったそうです。

『こんにちは いぬ』のなかにでてくる おひげのおじさんは、実在の人物なのだそう。

きたやまさんが、いいたかったことのひとつが、最後のじんぺいのこのセリフ。

『ゆうた ひとのいうことなんかきにするな。おれは おれだ』

〈犬がおしえてくれた本〉
1994年 理論社


『イスとイヌの見分け方』
きたやまようこ作 理論社
 
 「イス」と「イヌ」。どこが似ているの?まちがえるわけないじゃない!と思う方は、ぜひお読みください!

きたやまさんは、この一見まったく違うものたちに、意外な共通点を 発見されたそうです。

「ほんとうにわかってること」と「わかっていると思っていること」とは違う

わかっていると思っているだけで、実はわかっていないんじゃないか?

「イヌ」を簡単に捨てることができる人は、「イス」と「イヌ」の見分けがつかない人。

そんな見分けがつかない人達が、たくさんいるのでは....?

実際に保健所で犬を引きとってこられたエピソードを含め、印象に残ることばでした。

〈犬がおしえてくれた本〉
1995年 理論社


『なかよし取扱説明書(犬式)』
きたやまようこ作 理論社
 
 犬は「イス」に似ていると思ったけれど、「そうじき」にも似ていると思った、とおっしゃる北山さん。

(ユニークですね!) で、ふと、当たり前のことだけれど、生き物に取扱説明書はついていないな、と

思われたのだとか。そんな発想から、この本が生まれたのだそうです。

巻末には、ジョークをこめて「なかよし保証書」というのがついています。
〈ヒッポちゃんのおとなりさん@〜A〉
1978年 偕成社


『はじめまして!カジパンちゃん』
きたやまようこ作 偕成社

『カジパンちゃんちは何屋さん?』
 
 北山さん、実は自転車に乗れないのだそうです。このお話では、引越しの荷物を下ろす場面に

自転車がでてきます。出版後のあるとき、絵本を読んだこどもから、こんなことを言われたのだそうです。

「このじてんしゃ、はらっぱに ボンドでくっついているの?」

よくよくご自分の絵をみると、止まっている自転車なのに、自転車のスタンドが上がったままで描いて

しまっていたのだそうです。(ホント!14-15ページ参照) 編集者も、誰も気づかなかった!

自転車は知っているけれど、本当は知らないんだ。知っていたら、こんなまちがいをするはずがない!

知っていると頭から思いこんでいることを、もう一度考えてみると、自分がみえてくるのではないか?

そう強く感じられたそうです。

〈おにのこあかたろうのほん@〜B〉
1977年 偕成社   


『あかたろうの1・2・3の3・4・5』
きたやまようこ作 偕成社

『へえーすごいんだね』
『つのはなににもならないか』
 
 幼児向けの本をつくるということになり、数字を使ったものにしようと。

3〜4歳でほんとうに理解できる数字は「5」までということで、この数字にしたのだそう。

なんでオニの好物をエビカレーにしたかというと、火を通すと真っ赤になるから(確かに!)だそうです。

絵本を読んだこどもから、「あかたろうにでんわしたけれど、つながらなかった!」と言われたことも。

4人家族で4匹のエビなら平等な分配。

5匹あって、「おとうさんだけ2匹でズルイ!」と言われてなんと答えますか?

これは、読み手の感性が問われる部分です
、との言葉にドッキリさせられました。

今とは、ちょっと違うタッチの絵にも注目です。

〈重宝秘訣絵本〉
2001年 金の星社


『わかもとの知恵』
筒井康隆(文) きたやまようこ(絵)

 仕事が目一杯で、どうしようもない状態の時に、入ってきたお仕事だったのだとか。

でも、「知恵」ということばにとてもひかれて、是非やりたいなと思われたのだそうです。

知恵はかさばらないし、物がない時にこそ役にたつ!

物が豊かになればなるほど、知恵の出番がなくなっているのではないか?

あまりにもたくさんのものがあるから、ほんとうのぜいたくな時間がないのではないか?


本当に、胸にささりました........。


●おまけ●


講演終了後、サイン会がありました。

「あかたろう」にするか「カジパンちゃん」にするか かなり悩んだ末引越しの予定があるので「カジパンちゃん」を選びました。
北山さんのサインは、抹茶色のペンに ひらがな文字と「はっぱ」模様がついた とってもかわいいサインです♪
「葉」をかたどったハンコまで1冊1冊に押してくださいました。(ハンコを押してくださったのは、同行されていた男性でした)
講演日が11月11日だったので、「わぁ、1が並んでいて なんとなくうれしくなります」と私がいったら
『そうね、いい日ね。それにとっても書きやすいわ』と。
「写真撮らせていただけますか?」とお願いしたところ、ペンをサッと置かれ『どうぞ』、と笑顔を向けてくださいました!

その後、北山さんの方から、『いっしょに撮りましょう』と言っていただき、なんと一緒に写真を撮ってもらうことに!
とても光栄なお申し出だったため、断れなかったのですが、写真、実はニガテなのです......。(撮るのは、けっこう好き)
案の定、緊張のあまりヒキツッタ顔をしておりましたので
こちらの写真掲載は ご遠慮させていただきますね(笑)





★★★ 最後まで読んでいただきまして ありがとうございました ★★★

  

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