<< TOP  < BACK                絵本旅行社・ご報告まで。絵本原画展レポート NO.3
      飯野和好 絵本原画展      
      2002.7.20(土)→8.25(日) 宮城県・仙台文学館      


2002年8月9日(土)、飯野和好さんの原画展をみにいってきました

『ねぎぼうずのあさたろう』を含む 5作品の原画とアイディアメモを見ることができました!

私なりに感じたことを 書きとめてみましたので

よろしければ、読んでみてくださいね。

↓↓ お好きな作品をクリックして、レポートへ GO! ↓↓

ねぎぼうずのあさたろう
その1


わんぱくえほん   ハのハの小天狗  
むかでのいしゃむかえ
くろずみ小太郎旅日記
その4

 その他の展示


●飯野和好 プロフィール●-----------------------------------------------------------

(いいの・かずよし)1947年5月18日生まれ。埼玉県秩父郡長瀞 生まれ。
東京デザイナー学院卒業後、服飾デザイナーとなる。
その後、長沢セツモード・セミナーにて絵を学ぶ。
イラストレーター・絵本作家・ブルースハーモニカ奏者・「てくてく座」座長などなど 肩書き多数。

ヒッピー的生活を送っていた画学生の頃に、故・堀内誠一さんと出会う。
持って行った絵が採用、「下手でもよい、面白いと思うものを目指せ」いわれ、
1969年 雑誌「anan」の連載 『きむずかしやのピエロットものがたり』でデビュー。
(後に、平凡出版より出版)

『小さなスズナ姫』シリーズ(偕成社)で第11回赤い鳥さし絵賞を受賞。
『ねぎぼうずのあさたろう その1』(福音館書店)で第49回小学館児童出版文化賞を受賞。
あさたろうシリーズはビデオ化されている。(TDKコア)
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(注)各作品のところにある【飯野和好さんからのメッセージ】というのは、展示されていた原画の横に 作品ごとに添えられていた文章です。
   手書き文字がとても気になり、学芸員の方に確認。今回の原画展のために 事前に書いていただいたメッセージのコピーだということでした。
   飯野和好さんの人柄が感じられていいなぁと思い、丸写ししてきました(笑)。 どうぞお楽しみください。


その1
ねぎぼうずのあさたろう その1 【飯野さんからのメッセージ】 

うらの畑のねぎ畑。春になるとねぎぼうずが のどかにまあるく咲いていました。

ああ、あのねぎぼうずが 旅街道をてくてくいったら たのしいなと思って つくりました。

★メモ★

浪曲の節にのせて 読みすすめていくという 古くて新しい感覚の絵本。書き手が思いっきりたのしんでいるので

読み手も、思いっきり楽しんで読まないとツマラナイ。読むのに とてもパワーが必要な作品。

「ピュッ」とか「ずずっ」とか 擬音が こんなにたくさんでてくる絵本は 他には ないでしょう。
飯野和好 (さく)
1999年11月10日発行/福音館書店 
32p/サイズ27×22cm/日本傑作絵本シリーズ

展示【17点】 中扉とウラ表紙を除く全場面

★表紙の空、水色にちょっと赤味がかったような色が とてもキレイ。おもっていたよりもずっと 涼やかでサラリとした絵です。
  きゅうり浪人は、 印刷よりももっと淡い色合いで 青白く不気味な感じ。赤富士のピンク色が美しかった。


その2
わんぱくえほん 【飯野和好さんからのメッセージ】

マザーグースのような えほんをつくってみたいなと思って、こどもの頃 よく使っていた わらばん紙に
あそびのお話を ひとつひとつ描きました。


★メモ★

この作品、気に入りました!いたるところにかかれている 独特の文字の造形がユニーク!

ローマ字読みなのだが、その造形は ギリシャ文字でも アラビア文字でも 象形文字でもなく 音符のようにみえる。

踊るオタマジャクシとか 踊るシャクトリムシといった感じで、文字というよりは 絵の一部。作絵としては、初めての作品。
飯野和好
1981年11月発行 /偕成社
32p/サイズ23×24cm

展示【2点】 4じかんめ/なわとび

★印刷だと 紙の色がグレーになっているので クールな感じ。わらばん紙だとは思わなかった。
  原画は ほんとうにあのペラペラのわらばん紙で、 温かみを感じる。インクがにじんでいるのも またいい。
  ボールペンでかかれたところは、インクかすがたまっていたりして 妙に庶民的(笑)。


その3
  ハのハの小天狗 【飯野和好さんからのメッセージ】

山間の家から学校までのゆき帰り、峠道をランドセル カタカタいわせながら よくひとりあそび(空想あそび)を
やりました。そんな中のチャンバラごっこのえほんです。


★メモ★
 
『ハのハの小天狗』のハのハのというのは、昔、NHKのこども向け連続ラジオドラマ 「さくらんぼ大将」の中で、

古川ロッパという俳優が「ハのハの薬売り」になって、♪アッハッハのハのハで楽しいなあ、アッハッハのハのハでハのハの薬♪と

陽気に歌っていた歌からとったらしい。 この作品は、飯野和好さんの幼い頃の空想遊びの世界を そのまま表現した、最初の作品であり

和物の創作絵本の きっかけとなった作品。そして、『ねぎぼうずのあさたろう』シリーズへと つながっていくのであった。
飯野和好 (さく)
1991年6月日発行/ほるぷ出版
32p/サイズ27×20cm/入手不可

展示【2点】 みすず姫をまもる/にげる忍者をおいかける

★「あさたろう」よりも あざやかな色で描かれている。
忍者が ハンプティ・ダンプティみたいに 丸々としていて笑える。ころがって逃げたらいいのに。


その4
むかでのいしゃむかえ 【飯野和好さんからのメッセージ】

こどもの頃、親達がよく 村のなかの郷のお寺で 寄り合いをしていました。
灯りの中で 何を話しているのだろうと 不思議に思ったものです。
そんな事を 思い出し描きました。


★メモ★


オチがあるお話を理解できるのは、小学生以上だとおもっていたので、この絵本の存在は

ちょっとオドロキでした。それにしても ちょんまげを結った虫とは 斬新です。

飯野和好 (さく)
1996年11月1日発行 (こどものとも年少版236号)
1998年11月4日発行/福音館書店
24p/サイズ22×21cm/幼児絵本シリーズ

展示【1点】 第11場面、必死でわらじをはく むかでのたへいさんの絵

★むかでの 鮮やかなオレンジ色が印象的。 印刷では 赤味が強く むかでのたへいさんの頬の赤さが よく見えない。
  原画だと 頬の赤いのがよくわかり、もっとあせっているような感じがする。


その5
くろずみ小太郎旅日記 その4 【飯野和好さんからのメッセージ】

毎年、前の山で 炭をやいていました。
祖父が 顔や手をまっ黒にして 炭焼きがまの前に座って 火の番をしていました。
炭と忍術が すきなのです。


★メモ★

なんだかもう すごい世界です。旅日記というのんびりとした雰囲気ではありません。
 
忍術もスケールアップしているようで、歌舞伎のような大じかけです


くろずみ小太郎って、芸人「なすび」にソックリだと思いません?
飯野和好 (さく)
2000年8月号・月刊「クーヨン」おはなし広場 (初出)
2001年4月発行/クレヨンハウス
24p/サイズ30.3×21.5cm

展示【13点】 中扉とウラ表紙を除く全場面

★あかむらさき色のあやしい空の色がキレイだった。最後にながめた作品で これだけなぜかメモがない.....。スミマセン。



その他の展示

 
★『ハのハの小天狗』試作本 ・・・・・実際に本をつくる前に えんぴつで下書きをした本。

   絵は えんぴつで描かれたラフなもの。でも堅い表紙もついており、絵本として完成したときを想定して 
   こういうカタチで 事前にチェックしているのだなぁと はじめて知る。
   一枚の絵としての構図がよくても 絵本になったときに その構図がよいとは限らない。
   この作品の中でも、試作本と絵本と比べてみると 構図がちがう場面があった。
   本物の試作本は、ガラスのショーケースの中だったが、
   試作本のコピーがあり、手にとって自由にながめられるようになっていたのが うれしかった。


★『くろずみ小太郎旅日記』アイディアメモ

   当り前のことかもしれないが、生き物を描くときには 本物をきちんと観察して描いていらっしゃるご様子。
   色や指の様子まで、細かいメモあり。

   くろずみ小太郎旅日記その4に登場する 「じょうろうぐも」のメモには 
   観察して描かれた絵とともに 「柄がきれい」「赤、くろ、濃紺、き」と走り書きがあった。


★『あさたろう』登場人物メモ


  絵本のアイディアは 電車の中で練ることが多いのだとか。飯野さんは、登場人物を考えてから お話を考えるのだそうで、
  このメモから、「ねぎぼうずあさたろう」のシリーズ化の構想がうかがえる。はじめてみる キャラクターもあったので
  つぎのお話に 描かれているかも......。うふふ、たのしみたのしみ。


      最後まで 読んでいただきまして ありがとうございました!                                          


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