| 『きりのなかのはりねずみ』原画展 2001.11.16(金)→18(日) 宮城県・ハナトピア岩沼 ノルシュテイン 作/コズロフ 作/ヤルブーソヴァ 絵/こじまひろこ 訳 『きりのなかのはりねずみ』福音館書店 |
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2001年11月18日(日)、ロシアの映像作家 ノルシュテインさんの絵本、
『きりのなかのはりねずみ』の原画展を 見に行って来ました。
この原画展は、日本では2回目の開催になり、
著作権の関係で、非営利団体が実施できる最後の機会とのことで
このような すばらしい原画を 見る機会に恵まれ 光栄に思います!
すこしでも 雰囲気がつたえられれば 幸いです。
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| ユーリー・ノルシュテイン Yuri
Norstein 1941年 ペンザ州アンドレ−フカ村 生まれ 1961年 アニメ美術上級コース 終了 連邦動画撮影所に就職。 映画や監督術について学び、アニメの監督となる。 モスクワ在住。 |
★メモ★ 映像の詩人と呼ばれ、世界的にも とても評価が高い アニメーション作家です。手塚治さんや宮崎駿さんをはじめ、 世界中の映像作家に、大きな影響と感動をあたえつづけて います。 |
| セルゲイ・コズロフ Sergey Kozlov 1939年 モスクワ 生まれ 現代ロシアを代表する 児童文学作家。 |
★メモ★ デビュー作は、1962年 『おひさまがこわれた』 その後、30冊以上の作品を発表し、 世界中で翻訳されています。 |
| フランチェスカ・ヤルブーソヴァ Francheska
Yarbusova 1942年 カザフスタンのアルマアタ(現・アルマティ)生まれ |
★メモ★ ノルシュテイン作品のうち、「キツネとウサギ」以降の全作品 の美術監督。今回出版された絵本では、絵を担当。 ノルシュテインとは、私生活でもパートナーです。 |
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きりのなかのはりねずみ |
【あらすじ】 太陽がしずんでから、はりねずみは おみやげをもって ともだちのこぐまのところへでかけます。 途中、霧の中にいる白馬と出会い、もりのなかをさまよい歩くことになり、さまざまなことが......。 ★メモ★ 映像が先に生まれ(1975年)、25年経って絵本化された異色の作品。絵本でも、こまやかな筆遣いを 感じたが、原画は予想以上にスバラシカッタ!私は会場で、霧の中を はりねずみと一緒にさまよい、 澄みきった夜の空気を味わい、みみずくの羽根の一枚一枚まで観察し、堪能させていただきました。 |
| ノルシュテイン と コズロフ (作) ヤルブーソヴァ (絵) こじま ひろこ (訳) |
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| 2000年10月25日発行/福音館書店 | ||
| 40p/サイズ31×22cm/2000年作品 日本傑作絵本シリーズ |
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・表紙............夜空の下、きりのなかにたたずむ はりねずみ。
左手には赤い水玉の小さなつつみを持ち、空をみあげている。表情はみえない。
何を想い、空を見上げているの?何かをみつめている。みとれている。
・中表紙......こぐまとはりねずみ、うしろすがた
原画では、中表紙と、中裏表紙の白馬が 一枚の紙に描かれている。
第19場面と ほぼ同じ構成。
・第1場面......はりねずみが、こぐまのいえにでかけるところ。
原画は、印刷よりも淡い色合い。本文には、『ひがしずんで、あたりが うすぐらくなってきました』とあり、
それにしては、ちょっと深い色だなぁ、とひそかに思っていたわたしは、原画をみて納得。
確かに、夜のはじまりの色でした。木々からのぞく みみずくの目玉が印象的。
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・第2場面......みずたまりをのぞく はりねずみ。 透きとおった水たまりの美しさ! |
・第3場面......みずたまりにはいる みみずく と ふるいどをのぞく はりねずみ。
やっと全身をみせ みみずくが登場。用心深さと好奇心旺盛な性格がよくでていると思う。
動く水面の表現のすばらしさ!静かな夜から 水音がきこえてきます。
古井戸の はてしなく深い黒!どのくらい深いのでしょう?地球の裏側まで?
古井戸からこだまする声は、誰のこえ?はりねずみなのか、それとも........?
・第4場面.....ふるいどをのぞく みみずく と しげみにたたずむ はりねずみ。
はりねずみの背後にある 葉が美しい!霧がたちこめはじめ、空気の変化を感じる。
・第5場面......しろいうまをみつめるはりねずみ。 (福音館HPに画像有り)
とても幻想的な場面。あたりは 霧につつまれ、夜の空までおおいはじめる。霧で、白馬の足は見えない。
『しろうまさん、きりのなかで おぼれないかしら?』という、はりねずみのセリフが とてもイイです。
この白馬は、霧からうまれたのでしょうか?それとも、白馬が 霧をよんだのでしょうか......?
・第6場面......はりねずみ きりのなかへ。
霧の中にかくれてみえなくなってしまった白馬を、必死でさがすはりねずみ。
手をあげ、背伸びをしている姿が愛らしい。
霧の中、透けてみえる下半身の表現がすばらしい!
・第7場面......かたつむりとはりねずみ。
描かれている枯れ葉は、ほんものが貼りつけてあったのかと思うほど!
霧のため 水分の多い空気の中、かたつむりは とってもいきいきとしてみえる。
「やわらかい」かたつむり と 「かたい」はりねずみ。
「しめった」空気 と 「かわいた」枯葉。
「恐怖感」と「平常心」。いろいろな対比が描かれていて、おもしろい。
・第8場面......しろいうま と 蛾とおどるはりねずみ。
白馬のやさしい顔!長いまつげが色っぽい(笑)。
「蛾」をみて、「うつくしい」と感じたのは はじめて!
長く伸びた尾と チョウよりもするどくとがった羽が、幻想的でうつくしい。
・第9場面......あらわれた みみずくとはりねずみ。 (福音館HPに画像有り)
みみずくの 何か言いたげな口元が印象的。忠告?助言?おせっかい?それとも.....??
はりねずみは、不安そうにつつみをしっかり両手で かかえている。
・第10場面.....かしの木とはりねずみ
個人的には、原画の中で なぜかこの絵にひかれました。ほとんどモノクロに近い色合いから、かなり霧が深いことが
わかります。濃い霧を描くため、重ねて塗ったような 筆遣いが印象的。
大きなかしの木は、下から割けて△のトンネルのようになっている。
古い体制が、壊れつつあるのにまだ大きな存在としてあるような、そんな感じを受けてしまいました。
・第11場面.....わすれものをさがす はりねずみ
ほたるのあかりで くさむらをてらす、なんてすてきなアイディアでしょう!
暗い画面のなか ほたるのあかりが とてもあたたかい。
背景の木々が、森の奥深くに まよいこんでしまったことを 物語っているような気がします。
・第12場面.....おびえる はりねずみ
霧の中、行く方向を見失ってしまい、恐怖感におそわれる はりねずみ。
するどいツメをむきだしたみみずく、おばけかたつむり.....画面から映像が飛び出してくる感じ。
・第13場面......いぬの登場。 (福音館HPに画像有り)
さがしていたつつみをもってきて とつぜんあらわれた犬。
ずーっと暗い画面が続いていたので、このあざやかな巻き毛の犬は、
とても救いに思える。どんなときにでも、救いの手をさしのべてくれる存在ってあるのですよね。
・第14場面......川におちる はりねずみ
川は、静かな流れ。「蛾」は、ふんわりと とても軽く描かれ、はりねずみは どっしりと重い。
この対比がおもしろい。
・第15場面......流されていく はりねずみ
白い馬は、どこを見つめているの?たすけてくれないの?
静かに どこかをみつめている 白い馬の目が印象的。
・第16場面......きみは、だれ?
水の中の「なまず」の不気味さ。原画のほうが、はりねずみの不安をより強く感じる。
・第17場面......背中にのって
どうなるのだろう?と、はりねずみの不安そうな顔が かわいい。
やさしい「蛾」は、何を語っているの?
・第18場面......こぐまの家に たどりついて
無事に着いたのだと、よるの「蒼」が語っているよう。
こぐまのとぼけた表情、あたたかいランプの灯りに、緊張感がほぐれる。
ねえ、私もそっちへいってもいいかしら....?(笑)
・第19場面......こぐまとはりねずみ、うしろすがた
寄り添ってはいないけれど、お互いを信頼し、許しあっている背中がいい。
星あかりの夜、朝まで誰かと語りたくなりました。
・中裏表紙......霧の中の白馬
以上、原画20点、ラフスケッチ(クレヨン&色エンピツ)19点。 ラフスケッチは、ほとんど原画と構図が変わらない。
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素顔の ノルシュタインさん |
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会場にあった、ノルシュタインさんの写真は、横むきの笑顔。
おおきな耳、さがり眉、長く白いあごひげの奥には、かたちのよい白い歯が のぞいている。
白いシャツに黒ズボン、黒い靴下、黒のチャッカーブーツ。
左足は靴をぬぎ、右足もぬごうとしている。とてもプライベートで くつろいだ一瞬。
ゆったりとした空気にかこまれた、とてもすてきなポートレートでした.....。
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| ★ | お 知 ら せ | ★ |
福音館書店HPでは、
ユーリー・ノルシュタインさんからの日本の読者へのメッセージと、
表紙以外の3枚の画像を ごらんいただけます。
絵本旅行社では、すこしでも この絵本の魅力を
幅広く伝えたいため、
あえて、福音館の画像と重ならないものを
選びました。
ノルシュタインさんのページへ、直接リンクすることができないため、
・ENTER→HOME→ニュース→「きりのなかのはりねずみ」
・ENTER→HOME→ほんをさがそう→検索「きりのなかのはりねずみ」
どちらかの方法で、ゼヒ ごらんになってみてください。
また ここで使用した画像は、事前に福音館書店に連絡をし、
ご了承をいただいた上で掲載しておりますので、
著作権を侵害しておりません。
★★★ 最後まで読んでいただきまして ありがとうございました ★★★
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