<< TOP  < BACK                                絵本旅行社・ありがとう・キネンビ・フクロウNo.9


フクロウの秘密


● フロック ●
 


 
●フロックさんは、
絵本旅行社オーナー・フロイトさんが
長期間の出張に出かけている間のアルバイト



●フロイトさんは、
出張などと言っているけれど、
一人旅を楽しんでいるだけかもしれない





●フロイトさんが留守の間、

新入りアルバイト・フロックさんと、

管理人・ゆきなさんは、

うまくやっているのでしょうか?







「フロクさん、

ボーっとしてないで、さっさと仕事をかたずけちゃってくださいね」





「やだな〜、ゆきなさん。

ボクは、フロクじゃないですよ。

おまけじゃないんだから。

 ボクは、フロックです。

間違えないでくださいね」





「はいはい、わかりました……

フロイトさんたら、

なんでいつもボーっとしてるだけの

フロクさんなんかを

アルバイトに選んだんだろ」





「だから、ボクはフロックです!」





「あっ、ごめんなさい。聞こえちゃった?」





「言っておきますけどね、

ボクは、ボーっとなんてしてませんよ。

仕事をしているんです」





「仕事?」





「そうです! 夢を見ているんです。

いろいろと思いをめぐらせながらね」





「やっぱり、ボーっとしているんだ」





「ゆきなさん、なに言ってるんですか。

絵本旅行社の仕事は、

お客様に夢を届けることじゃないですか。

そのためには、ボクたちが

夢を見ることができなくちゃいけないんですよ。

 ボクの大きな目玉はね、

ゆきなさんを見ることもできますけれど、

星月夜の砂漠だって、

足跡のない雪原だって、

サンゴ礁を抱いた青い海だって

見ることができるんです。

ラクダだって、

雪男だって、

人魚だって、

それに、小さな女の子が、

こらえきれずに落とした

一粒の涙だって見ることができる……



絵本旅行社に来た人は、

お客様も働いている人もみんな、

夢見ることができなくちゃ

いけないんですよ……

ねっ、

夢を見ることは、絵本旅行社の仕事でしょ」





「ふ〜ん……

いろいろとお忙しいかもしれませんけれど、

そこの本棚は、ちらかったままですから、

ちゃんと片付けておいてくださいね。

フロクさん」






「だから……」





                                
by chaury




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