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| 「銀河」を選んだあなたには・・・ | 『星のふる夜に』 |
はじまりのことば以外は 文字のない絵本です。
画集のような大きめのサイズ。
満天の星空の下、森のはずれで子鹿がポツンとたたずんでいる表紙。
文句なく美しい絵です。
ウワベの美しさにはだまされないぞ、とページをめくっていくと
そこには、静けさのなかにも、ひきこまれていく世界がありました。
こどももたのしめますが、大人がのんびりと楽しむのに向いている作品でしょう。
主人公は子鹿
ひとつめの流れ星が、はじまりの合図です。
親元を離れ
流れ星の行く先を追いかけるようにして 冒険がはじまります。
テキスト(文章)としてのおはなしはありません。
右ページは、画面いっぱいに場面が広がっていて
左ページには、地図がポツンとあるだけ。
おはなしは、読み手にまかされています。
といっても、特別な物語はいりません。
絵が、じゅうぶんに語っています。
地図は、単なる道しるべではなく、
2次元から3次元の空間へと 場面に広がりを与えてくれます。
作品を楽しむうちに、
時々、違うことを考えている自分に気づきました。
たとえば、
子鹿がふりかえる場面。
「不安よりも好奇心がまさる時
好奇心が不安をよびもどす時
それはいったいどんなときだろう?」
たとえば、
街の中に迷いこんでしまう場面。
「きらめくネオンは星への憧れ?
高層ビルは、すこしでも天に近づこうとする人間の欲望の象徴?
高層ビル群は、星の輝きを見えなくし、
地上からみる空をせまくしてしまっていることに
気づいているひとはどのくらいいるのだろう?」
な〜んて、普段考えもしないようなことを
考えてしまっているのです。
特に答えが欲しいわけじゃないし、
絵本に答えが書いてあるわけでもない。
気がつくと、ミョーに哲学的な自分がいました。
とにかく、
どちらが「天」で どちらが「地」なのか わからないくらい星のふる夜です。
無意識の自分とであえたとしても 不思議ではないのかもしれません。
文字を追わず
のんびりと絵本の空間に身をまかせるのは
とても心地よいものです。
銀河をながめ、リラックスしてみてください。
2003.6.28
| 『星のふる夜に』 |
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| 千住 博 (さく) | |
| 1994年1月29日発行/冨山房 | |
| 36p/サイズ33cm×26 |
【メモ】表紙の画像があんまりキレイじゃなくてごめんなさい!スキャナーより大きいし、色調がなんどやってもうまくでないんです。
現物は、とても美しいので、ぜひ見てもらいたいなぁと思います。
1994年には、絵本の原画展も行われていたようで........、ああ、であうのが遅かった(涙)
この作品のいくつかの場面が、シルクスクリーンなどで現在(2003.6月)でも販売されているようです。
サイン入りで¥300000.−だって。買えないって。