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| 「口約束」を選んだあなたには・・・ | 『ハーメルンのふえふき』 |
「笛の音を聞いてみたい!」
幼い頃、このお話と出会ったとき
単純にそう思いました。
親になった現在、再び読み返すと
なかなか奥深く考えさせられるお話です。
13世紀(800年ほど前!)から、北ドイツハーメルン町で語り継がれている伝説、
「ハーメルンのねずみとり男」
130人ものこどもが町から姿を消してしまうなんて、
なんとも奇妙な話ではありませんか!
お話の中には、大人のズルイ部分がはっきり書かれています
市長はその代表的な存在です
口約束とはいえ、金貨百枚でねずみ退治をお願いしたのに
退治したあとも、お礼をしぶる市長。
とうとう ふえふき男は、こう切り出します
| 「町にはネズミは、もう一ぴきもいない。 市長、あんたは お礼を、だすのか ださないのか?」 「ネズミとり男よ、全市民と市会議員の名において、 お礼は ださない!」 |
このことばをきいて ふえふき男が立ち去る場面、
闇のなか振り返り こちらをじぃーっとみつめる姿は印象的です。
口約束とはいえ、約束は約束です
特に、人の上に立つような立場のひとが その場の感情や
目先の損得で カンタンに約束を破ってしまったり、
なにか不都合なことがあれば、責任転化して その場をしのいだりする。
それは許されないことなのだと お話は語っているような気がします。
こどもがひとりもいない町
考えただけでもおそろしく さみしい光景です
最後の場面をみると、町は真っ白な雪におおわれて描かれています
未来や希望、輝ける部分を失った町は
真冬のようにつめたく凍りついた状態だったのでしょう
カバー部分に書かれている 小澤俊夫先生のことばによると
こどもたちが連れ去られた通りを”音楽禁制通り”といって、
今でもそっと通ることになっているのだそう。
ハーメルン町、いつか訪れてみたいです。
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『ハーメルンのふえふき』 |
| アンネゲルト・フックスフーバー(絵)/おざわとしお(文) | |
| 1985年12月/偕成社 | |
| 25p/サイズ25×22cm/1984年作品 |
【メモ】この失踪事件ともいえるできごとは、中世史料にも歴史的事実として記録されているとのこと。
また、ハーメルン最古の教会のガラス絵にも描かれているらしいです。
謎のまま物語が終わっているところが 想像力をかきたてますね。
ハーメルン町、地図で探してみたら、ブレーメンから南下したヴェーゼル川のほとりにありました。