<< TOP  < BACK                                絵本旅行社・ありがとう・キネンビ・黒猫No.13-1


黒猫の秘密


● セルド ●


 


『 セルド物語 −セルドの誕生− 』





ドイツにはライン川という川が流れておって、

その川沿いに ねこ城というお城があるのにゃが、

ある年のいつだったかにゃ、

そのお城に流れ星が落ちたかと思うと、

壁から一匹の猫がにゃんっと飛び出した。



長いしっぽに、ちょろちょろおひげ。

全身、星の輝く夜空のように優しい漆黒色。

ぎょろっとおめめはエメラルド。



喧嘩の絶えない世の中じゃ、

夜空もろくに見られにゃいと、

ねこ城に逃げ込んだはいいものの、

どうやら長く壁の中で眠ってしまったようにゃ。







もう喧嘩は終わったのかにゃ、

なんと夜空が美しいこと。

星は、

まるで夜空一面に散らばる

ダイヤモンドのようにゃ。

猫は一体いくつあるのか気ににゃって、



「1個に 2個に 300個、

まばゆいダイヤは 誰のもの」

と歌いながら 毎晩星を数えておった。








ある晩もまた、

いつもと同じように

川沿いの丘の上に寝転がって星を数えていたのにゃが、

何かがおかしい

おかしいにゃ。




南のうんとうんと遠くにある星2つ、

何かがおかしい

おかしいにゃ。




猫はぎょろっとおめめを見開いた。

どうしたことか、お月さん。

にゃんとその星2つ、琥珀色。



「おいらとおいら、2人合わせてセルド。

ダイヤじゃないが、琥珀だぞ」



こりゃまたびっくり、お月さん。

その星2つ、声を揃えてしゃべったにゃ。

猫のぎょろっとおめめ、一回転。



「おいら2人は合わせてセルド。

猫のおめめになりたくて、

今すぐ行くよ 待っていな」



ちょっくら待って、

何て言ったにゃ、セルドさん。

猫のぎょろっとおめめは、二回転。



とその時にゃ、

琥珀色したセルドさん、

2人そろって猫めがけ、ぴゅぅんと一気に飛んできた。

にゃんとびっくり猫さんは

あまりに驚いたものにゃから、

ぎょろっとおめめ、三回転。

そのままおめめ飛び出した。

にゃんともすんとも言わぬうち、

セルドはおめめの中へ飛び込んだ。

代わりに猫のぎょろっとおめめ、

びゅぅんと南のうんとうんと遠くの方へ飛んでった。




猫のぎょろっとおめめ琥珀色。

南のうんとうんと遠くにある星2つは、エメラルド。

今日からおいらは

琥珀おめめのセルドにゃい。




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